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「信仰が人を殺すとき」を読む

思いのほか、ショッキングな一冊でした。

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信仰が人を殺すとき(上) [ ジョン・クラカワー ]
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「神の啓示を受け」殺人を犯した2人の兄弟を中心に、
今もアメリカや世界で影響力を増しつつある
モルモン教の歴史と教義を紐解きながら、
信仰を持って生きるとはどういうことかを追ったノンフィクション。


結構な分量があったのですが、ぐいぐい読まされました。

部外者から見ると、創世記的な「世界のなりたち」観やら、
一夫多妻婚やら・・・の教義を、かなり奇異に感じてしまうのが本音。
(正直、本気で「ポカーン」としてしまった内容もあった。)

しかし、本書でも指摘しているように、キリスト教やイスラム教など、
いわゆるエスタブリッシュメントな宗教でも、
科学的な事実と相反する「物語」を信じることから始まるわけで、
たとえモルモン教が異端であったとしても、
信仰という意味では質的に同じということか。

うーん…確かに、こっちの物語は許されて、あっちの物語はダメでしょ、
ってのはフェアじゃないとも言えるけども…。

女性の権利を軽視したり、人種差別的な考えを含む教義を
良しとしていいものだろうか。

でも、女性を支配下に置こうとする宗教は結構多いか・・・。
うーん。


なかなかのモヤモヤ感を抱きながら、さらに、
2人の兄弟が犯した殺人とその後の裁判のなりゆきを読んでいくと、
「啓示を受けた」と本気で思い込める人間の精神の不思議さに
愕然とするのであった。

ジャンヌ・ダルクもそうよね…。

肩をつかんで、

「よく考えてみて!そんな非科学的なこと、
 あるわけないじゃん、天使がどうとか、神がどうとか、
 自分の都合のいいように解釈してるだけでしょー!」って

ゆすって説得したくなるところであるが、恐らく響かないのだろう。

その響かなさ。

答えは自分の思考の末にあるのではなく、
自分が触れることのできない真理として神から与えられると
「本気」で疑いもなく信じられる人間の脳って…。

脳って…とかって言ってる時点で、
そもそも信仰に向いていないのかもしんないが、
たとえば壮大な自然を見て、
普通に「神々しい」と思える感覚は自分にもあるわけで、
なんとも…うまくまとめられません。

読み応えのある一冊でした。


著者の他の本も読んでみよう。

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知らずに読みましたが、児童文学でした。
ディズニーが映画化するとか?
舞台設定が好みだったので読んでて楽しかった。
けど、単純な勧善懲悪が、物足りない部分でもあった。
まあ、児童文学だから、道徳的な白黒つけたほうがいいのかもしんない。


「美しい瞬間を生きる」

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美しい瞬間を生きる [ 向田麻衣 ]
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ネパールで製造した化粧品を販売する事業を立ち上げた女性の書いた本。

「日本人が日本にいて、日本語だけを話しているということが、
 日本にいると当たり前だと感じるが、一歩外に出ると、
 日本語を使う世界って、ほんの一握りの限られた世界なのだと感じる」
という一文、ほんとそうなんですよね。

最近の若者は海外に興味を持たないと言われているが、
やはり社会全体が「地元が一番」のマイルドヤンキー化してるんでしょうか。

確かに目の前にある幸せをかみしめるのも大切だろうけれども、
自分のそれとは違う価値観や世界があることを常に意識し尊重するということと
矛盾してはならない、と思うのだけれど。

実際にはその両立って難しい。

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