「猫の客」を読む
心に潤いを保ちたいなら、部屋に緑を。
ということで、バジルの種をもらったので、
育てております。
大きくなーれ!
「マルモ」のともきくんみたいに、呪文を唱えるか。
う~・・・マンボ!
そうして水をやりやり、のんびり読んだこの一冊。
平出 隆著 「猫の客」です。
もちろん、猫好きの人は深い感慨を持って読むのだろうなと思います。
でも、そうじゃなくても、
「地に足のついた言葉のきらめき」のような表現があって、
文章そのものを楽しませてもらえる作品です。
あとで著者のプロフィールを調べたら、なんと地元出身の人でした。
そして、「詩人」とな。
どういう生き方なんだろう、「詩人」。
どういうお仕事なんだろう。
お話の中心には、タイトル通り猫ちゃんがいますが、
それはお隣さんが飼っている猫。
付かず離れず、愛情を育てながら付き合っていく様は、
ほほえましいものでした。
それでもやはり、相手は命のある生き物。
いつかは別れが来るものではありますが、
生きているものに対するコミットメントは、
愛おしくも儚く、むなしいものであることを感じさせられました。
作中に「小さなその滴のようなその一日」という表現があるのですが、
読み終わった後、その影響か、きれいな水滴を見ていたような
感覚を持った一冊でした。
そうだ。
猫ちゃんの一生の中で重要な日が、3月11日だったというくだりがあり、
もちろん偶然でしかないわけですが、なんとなく、ずしーん、と来ました。
この日に、たくさんの命が失われたことを忘れてはならないなと
また改めて感じたのでした。
話は逸れましたが、読書が好きな人にはぜひお勧め。
文庫も出ているようですね。
それと、これも面白かったなぁ。
いろんな作家さんの玉子(料理)に関する作品を編んだアンソロジー。
一作ずつが短くて、個性も豊かなので、
とぎれとぎれに読んでも楽しめます。
Comments